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障害者への理解を深めよう!誰もが暮らしやすい地域づくりのための意見交換会(「誰もが暮らしやすい福祉しがづくり」湖南圏域ワークショップ)

  • 西河 亜紀糸賀一雄生誕100年記念事業実行委員会事務局員(滋賀県社会福祉協議会)
~障害者への理解を深めよう!誰もが暮らしやすい地域づくりのための意見交換会~(湖南圏域ワークショップ)

平成25年11月29日(金)、南部合同庁舎において湖南圏域ワークショップが開催されました。このワークショップは、湖南地域障害児(者)サービス調整会議全体会の公開会議ということで、一般の方々も参加され、4市の自立支援協議会や関係団体と合わせて約80名が参加されました。

湖南地域障害児(者)サービス調整会議の概要報告

南部健康福祉事務所より、調整会議の仕組みや課題解決に向けた取り組みについて報告されました。サービス調整会議は、湖南福祉圏域(草津・守山・栗東・野洲)にお住まいの障害児・者に対し、福祉・保健・医療・教育・就労などの各種サービスの提供について総合的に調整し、その利用を推進しています。湖南地域では、人口が増えている一方で、社会資源、特に障害者のくらしの場が不足し、介護保険との連携や計画相談支援の充実がますます重要になってきています。ここでは、サービス調整会議が県自立支援協議会、圏域自立支援協議会、各市自立支援協議会の3層構造になっており、湖南圏域および他圏域の現状や課題を共有しながらすすめていることを説明されました。

4市の自立支援協議会からの報告

各市における取り組みについて、概要とそれぞれの特色について報告されました。定例会議におけるケース報告から見えてきた地域課題に対する検討だけでなく、学習会や事業所見学、サマーホリデー課題研究プロジェクトなど、それぞれ地域課題に応じた取り組みを展開されています。

課題解決への取り組み~各部会からの報告~

調整会議の各専門部会、プロジェクト会議より、取り組みを報告されました。

《進路部会》
特別支援学校や施設、事業所、訓練機関からの進路先について情報交換を行っています。毎年約60名が湖南圏域で特別支援学校等から卒業しており、年々増加傾向にあります。作業所等の受け入れが厳しくなっており、部会から状況を発信し、新しい受け皿づくりを進めています。また、市の教育委員会や発達支援センター等と連携しながら、最後までつないでいくことを目標にされています。

《作業部会》
特別支援学校、児童入所施設、在宅者等の進路先予想数と障害福祉サービス事業所の入退所数・受け入れ可能数の調査を毎年行っています。サービス内容、障害種別ごとにデータを整理し、湖南圏域における日中活動の場の必要量や形態を検討し、圏域の課題を提示しています。

《就労部会(ジョブリンク)》
個々の障害者のニーズに対応した長期的な支援を総合的に行うため、定例会や就労系サービス事業所情報交換会を開催しているほか、「働く」に関する情報を湖南地域の就労支援機関へ随時発信しています。雇用機会の拡大だけではなく、企業に対するアプローチや就労につながった人たちを支える仕組みが求められています。

《行動障害支援ネット》
行動障害のある知的障害児・者に必要な生活環境と地域づくりをめざし、事例検討や本人の行動・要因・家族支援などの分析や評価をおこなっています。行動障害支援ネットワークを強化し、専門機関からの助言やかかわりにより、障害の理解を深めていくための取り組みを続けています。

《重度障害者進路先検討プロジェクト》
今年4月、住まいの場の整備に関する事業所側の課題把握と、住まいの場を必要としている障害児・者の実態把握を目的に調査を実施しました(集計中)。また、行動障害などにより個別支援を要する人の受け入れ先確保のために、平成24年4月より独自加算制度を創設し、現在は制度活用に対する評価を行い、制度見直しに向けて検討をしています。

《精神分野の課題研究プロジェクト会議》
 地域で精神障害者本人の希望に沿った生活が実現するように、個別相談の事例検討や在宅サービス体制の整備などの地域課題を共有しています。家族や入院に頼らざるをえない状況もある中、支援者が生活の中で変化をキャッチし、医療と福祉の両面から支えていけるよう、事例検討会を重ねています。

意見交換

前半の報告を聞いて、参加者が意見カードに記入した意見や質問をもとに、意見交換が行われました。限られた時間でしたが、課題と取り組みのつながりがなかなか見えにくいといった厳しい意見も出る一方、今後の取り組みに対する期待の声も寄せられました。

「発達障害や自閉症特有の困りごとや悩みを共有できる場があるとよい」「自立支援協議会にもっと当事者の意見を反映させる仕組みを」「障害者虐待防止法ができただけではダメ。把握する仕組みをつくっていかなくては」「就職できたとしても職場へ行くまでが困る。交通手段の支援が必要」「災害時に情報が入ってこなくて避難できなかった」などと具体的な意見が出されました。

最後に、相談支援センターあんずの太田さんから、「一方的な報告スタイルではなく、みんなの意見をいただきながら1つずつ施策化してきた。反省もあるが、地域の障害理解が少しずつ進むなど、成果といえるものはみんなで受け止めていきたい。しかし、同じような生活や自由が守られているとはいえない現状もある中、資源やサービスの充実と同時に、ソフト面(合理的配慮)の充実に対しても取り組んでいきたい」とまとめられました。当事者の参画のもと、十分に意見を反映しながら、各関係機関がより連携し、個別支援から地域の課題解決に向けた仕組みがつくられていくことが期待されます。