最新情報

レポート・コラム
糸賀一雄生誕100年記念事業 高島圏域ワークショップ 〜「誰もが暮らしやすい福祉地域づくり」のための意見交換会〜

  • 西河 亜紀糸賀一雄生誕100年記念事業実行委員会事務局員(滋賀県社会福祉協議会)
糸賀一雄生誕100年記念事業 高島圏域ワークショップ 〜「誰もが暮らしやすい福祉地域づくり」のための意見交換会〜

2013年12月12日(木)、高島市の今津老人福祉センターにおいて高島圏域ワークショップが開催されました。障害がある人もない人も、誰もが暮らしやすい地域づくりに向けて取り組みの方向性を見出すことを目的に、約60名が参加し、意見交換を行いました。

中島秀夫さん

はじめに、この記念事業の「誰もが暮らしやすい福祉しがづくり研究事業部会」副部会長、滋賀県障害者自立支援協議会事務局長の中島秀夫さんから、今回のワークショップの趣旨等についてのお話がありました。「互いが共有している時間の少なさが、結果として障害者への無理解につながっている。今年6月に制定された「障害者差別解消法」も、“法律あって実態なし”とならないように、障害者とともに学び、働き、暮らすということから共生の機会を広げていくことが大切」と、共生社会のあり方についてご自身の体験を交えてお話いただきました。

意見交換

その後、「誰もが暮らしやすい高島市を作っていくにはどうすればよいか」について、参加者が7つのグループに分かれて意見交換をし、全体で共有しました。「すぐに制度やサービスにつなげようとするのではなくて、もっと“生活”を見てほしい」「特別支援学校に入学すると、地域の同世代とのつながりができにくい環境になる」「地域で自立して暮らすには夜が心配」等の障害者の意見や、「何に困っているのか分からず、接し方に戸惑う」というまわりの住民の率直な思いも出されました。

意見交換

一方、「子どもの頃から地域とのかかわりがあると、本人に合った環境を地域がつくってくれる。それに、障害のことを自分からオープンにしていくことで、暮らしやすくなった」という話もあり、“人と人との関係”が一番大事だということを改めて確認できました。特に、福祉教育のあり方については「スタート地点(学校)で分かれてしまうのが現状。学校で出会わないと、地域で出会うことはなかなか難しく、その先につながっていかない。その人ができることをみんなで理解し、その場に一緒にいることが大事なのでは」との声もありました。地域の小中学校に通って疎外感を感じ、高校からは養護学校に入学する子どもも増えており、また、その先の就労の場が少ないなどの課題も残っていますが、暮らしの日常の中で一緒にいる場をどれだけたくさん作っていけるか、それが共生社会への近道になります。テーマ型で活動しているNPOやボランティアによる支援の輪も広がる中、地道に根気強く一緒に取り組んでいくことが大切です。

橋本浩明さん

最後に、社会福祉法人すぎやまの家理事長の橋本浩明さんから全体のまとめがありました。「今回のような意見交換の場は非常に大事で、今後は、当事者を取り巻く関係者だけではなく、一般の人にどのようにアプローチしていくかが重要になる。糸賀氏をはじめ、滋賀の福祉の先達は、みな“実践”を通して制度をつくってこられた。今や“制度”“お金”の議論が先になっていないか?という反省もしながら、実践する中でいろんな成果がついてくると信じて、『高島市は1つ!』を合言葉にチャレンジ精神で取り組んでいきましょう」と締めくくられました。

糸賀一雄生誕100年記念事業「誰もが暮らしやすい福祉しがづくり」は、計7圏域で実施しました。このワークショップがそれぞれの地域において障害者への理解を深めるきっかけとなり、誰もが暮らしやすい地域づくりに向けた取り組みにつながっていくことを期待しています。